時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

九州国立博物館


九州国立博物館の入口は後ろのトンネルも撮りたいなあ(写りイマイチだけど)。

太宰府天満宮に来訪するのであれば、個人的にはここもセットに。実は10年ぐらい前に来訪したことはあるんだけど。
特別展開催直前(とはいえ特別展も東京で拝見してるが)、文化交流展(常設展)へ。
大宰府散策切符に割引券ついてるけど、国立博物館メンバーズパスで堂々の入場。あ、これで国立博物館メンバーズパスで4つ全ての博物館入場できた!(謎達成)


文化交流展は4階。
1フロアだけど、フロアの周囲に更に小部屋の展示室が複数ある、面白い構造。
展示物の写真、2020年ぐらいからOKになってた(NGの展示物もあるけど)。

1フロアは歴史の流れ。テーマ1は「縄文人、海へ」、テーマ2は「稲づくりから国づくり」、テーマ3は「遣唐使の時代」、テーマ4は「アジアの海は日々これ交易」、テーマ5は「丸くなった地球、近づく西洋」。
テーマを挙げただけでも面白い。そう、「文化交流展」なので、交流とか貿易が切り口。


テーマ1「縄文人、海へ」は、地域交流というか地域比較的な話が多めかも。土器の地方比較とか、土偶の東西比較とか。
後者が面白かった。西の方がより省略可されてる話とか、知らなかった。
あ、あと、ナウマン象の化石とかも展示されてる。他の国立博物館だとあまりないかもね。


で、テーマ1は小部屋の展示室と時代が重なっていない。
そこの展示室は2つあるけど、展示室1が「寄贈者顕彰室」、展示室2は「金子量重記念室~アジアの民族造形~」。
「寄贈者顕彰室」はこの日は坂本五郎コレクション。
古美術商の方で、コレクションは古代中国青銅器だったり、日本の茶道具系が多いのかな。今回出ていたものは中国の器(緑釉壺もあった)とか、茶碗とか釜とか釣鐘なんかも。
金子量重は図書館に勤務しながら、アジア民俗学者なのね。
…うわあ…めっちゃコレクション好み…(あ)
タイの「龍頭形軒飾り」がいきなり鎮座してるのも楽しいし、日本の文化にはない感じのものが沢山。
インドのワールリー族のワールリー画も素朴で面白い。
地味に、パンダの形の鉛筆削りとかも収集してるのも楽しい。
日本の砥部焼の壺も展示されてたけど、これはもしかして魚の絵→ベトナムの匂いを感じ取ってるのかなあ。

こちらはインドネシアの鳥型弦楽器。どんな音するんだろう。


テーマ2「稲づくりから国づくり」。
弥生時代から古墳時代
小部屋の展示室3「倭人伝の世界」、展示室4「にぎやかな古墳のまつり」も含めて。
世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」が近所ということで、宗像辺りの出土品も結構出ていた。
展示室4は石人&埴輪祭りだった。楽しい。
あ、そうだ、国宝「方格規矩四神鏡」が凄く好みで綺麗だったなあ。


テーマ3「遣唐使の時代」。
遣唐使だから飛鳥・奈良・平安初期って感じだけれど、
切り口が遣唐使なので、小部屋の展示室5「アジア人の理想の姿」はシルクロードガンダーラ美術がっつり。おおお、イケメン仏像きた!(うるさい)
展示室6「アジアを旅する」は東京国立博物館の3室「西アジアとエジプトの美術」みたいな展示。ローマ時代のガラス製品!イランのラスター彩水注!おおお…。
展示室7「遣唐使シルクロード」はもう少し遣唐使の解説を詳しく。
展示室5と展示室6がもう好み過ぎる…。


テーマ4「アジアの海は日々これ交易」。
付随する展示室9は「交流する中世の人とモノ」。
鎌倉時代から安土桃山時代ぐらいなんだが。
…展示室9で「前田家伝来名物裂帖」が出ていたのだが。だめだ!それは個人的に好きすぎる!綺麗だった…滅茶苦茶写真撮った…。


テーマ5「丸くなった地球近づく西洋」。
安土桃山時代から江戸時代(明治はなかったと思う)。
付随する展示室10が「九州陶磁の華-田中丸コレクション」。そして特別展的になっていたのが展示室11「御所の器 ―公家山科家伝来の古伊万里」。
展示室10も11も陶磁なんだけど、展示室10は九州の器=伊万里とか鍋島で、その…あんまり好みなのがなく…。「御所の器」はどうしても菊御紋になってしまうし。
どちらかというと、テーマ5に沿った、出島貿易関係とか、キリスト教関係(マリア観音出てた!)とか、後はアイヌ(これも蝦夷との貿易だよね)関連とかの方が気になる。
薩摩切子も何点か出てたよ。


さて、展示はこれで終わりではなく。
九州国立博物館の1階には「あじっぱ」という体験型展示室がある。
www.kyuhaku.jp
昨今の状況で触ることはできなかったんだが、アジア各国の展示コーナーが楽しい。
入口がウズベキスタンなのずるいなあ…。ウズベキスタンのものってかなりツボなんだよ…。
インドネシアにはワヤン人形やバティック染があり、タイにはムエタイのボクサーパンツ(?)があったり、中国だと中国風バービー人形(?)まであったり、韓国だとノリゲ沢山飾ってあったり、ベトナムドラえもんの漫画が置いてあったり(ベトナムはコーナーがとても広かったのもあるかも)、日本まであったりする。まあ、日本も現代日本から考えたらファンタジーみたいだよねえ…。
面白かったのはベトナムの十二支。卯の代わりに「ねこ」、未が「やぎ」、丑も「すいぎゅう」だったり、亥も「ぶた」だったり。ところ変われば違うものだ…。



なんとなく楽器類の写真をあげてみる。最初がミャンマーで後2つがベトナム
あ、1階エントランスにガムランもあったんだよねえ。


そうそう、九州国立博物館は1階と2階部分が吹き抜けになっていて。

こんなに大きな山笠が飾れる。
ちなみにタイトルは「清涼殿落雷」。…菅原道真大宰府に左遷したら、清涼殿に雷が落ちたあれか…。なかなか微妙な題材を山笠にするんだね…。


楽しかった!結局大宰府にほぼ1日滞在。
…まあ、滞在したら、この日最終日の展覧会に行きそびれたんだけどね…(翌日が最終日だと思っていた)。あああああ。


というわけで翌日は普通の博多観光に。続く。