時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

芭蕉布-人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事-@大倉集古館

暑いので、一番近い六本木一丁目駅から。
泉屋博古館東京を横に見ながら進むのは、不思議な感じ。


沖縄本土50周年ということで、ここぞとばかり多い沖縄関連展覧会。東京国立博物館も行ったしね。
morina0321-2.hatenablog.com
芭蕉布、しかも平良敏子(以下敬称略)にスポットを当てた展覧会。
現代の芭蕉布。なにせ御存命でいらっしゃいますからね。流石に織布は行わないそうだけど、今でも現役で芭蕉の糸を作成していらっしゃる。
喜如嘉(きじょか)は沖縄の大宜味村の集落名。こちらで芭蕉布を作成している。

1階は現代、平成に作られた芭蕉布の着物がずらり。
半分以上が煮綛=「ニーガシー」という、色が定着するように布を煮ているもの。芭蕉の糸で、煮ても「耐えられる」糸でないとできないようで。
実はこの展覧会、芭蕉布の作り方のパンフレットも貰えるのだけど、まず糸を作るのが大変で。
www.nhk.jp
書き手は日曜美術館で拝見してたけど、糸芭蕉を育てるのに3年かかって、そこからも糸がとれるのがほんのわずかで、布を作るには膨大な糸が必要で…(遠い目)
正確な作り方は「喜如嘉の芭蕉布」公式サイトへ。
bashofu.jp
なので、「美の壺」でしれっと芭蕉布の着物やりとりしてて「お金持ち…!」ってなったりとかしたとか(え)

閑話休題
出来上がった芭蕉布の着物は、薄手だけれど、色は鮮やかで。
琉球紅型でもよくある黄色はフクギ(福木)。
紺は琉球藍(エー、琉球藍で染めたものは「藍型」=えーがた、と言いますな)。
茶色は車輪梅(テーチ)、相思樹、揚梅(ヤマモモ)、木麻黄など、それぞれ違う。
紫は蘇芳。赤は茜。喜如嘉の芭蕉布はインド茜を使うそうで。
morina0321-2.hatenablog.com
インド茜を使うということは、染料自体はこちらと同じなんだよねえ…。
緑や青は、他の色はそれぞれの色を混ぜ合わせて作るのだそう。
そして上手く文様を作って織り込んで。文様も沢山種類があって、平良敏子が発展させて作ったものも沢山(デザイン帳も展示されてた)。
小鳥(トゥイグワー)柄はやっぱり気になってしまう。鳥というか、燕デザインだし(それ別趣味理由…)
文様解説は2階でかなり細かくやっていた。
芭蕉布の花織(ハナウィ)もあった。これは琉球の別地区の花織の技術が伝わったんだろうか…。
紅型作家や工房で作成した、芭蕉布に紅型で染付した着物とか、更に藍型を得意とした藤田玲子作の芭蕉布も。

いやあ、眼福だった…。
ちなみに、地下1階のミュージアムショップにいくつか芭蕉布グッズがあったけれど、うん、まあ…なかなかいいお値段でしたな…。
あ、そうそう。

www.instagram.com
同じく地下には、珍しく写真OK&SNS宣伝推奨があったので。