時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

国立西洋美術館

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前回の続き。
リニューアル後の国立西洋美術館、常設展をぶらぶらと。

リニューアル後に変わった辺りを。

内藤コレクションが常設コーナーになった。
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評判良かったのかなあ。分かる。そしてこれは個人的にも楽しみの1つに。

で、ちょいちょい小さな企画を入れてくるようになった。
たとえば、「黙せる音楽」というタイトルで、エヴァリスト・バスケニス「楽器のある静物」と、ヴィルヘルム・ハンマースホイ「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」が対峙していたり。
ハマスホイが…ハマスホイが帰ってきてる…!(落ち着いて)
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それはともかく、この企画で、しかも気に入っている画家が取り上げられることになるとは。ありがたい…。
カルロ・ドルチ「悲しみの聖母」は、青い衣がとても印象的な色なのだけど、色材の調査をしていたり。
ベルド・モリゾと、義兄のマネが描いたベルド・モリゾの肖像画が飾られていたり。
カミーユ・クローデルの作品が新所蔵になったので、ロダンの作品と並べたり。
…お、おう(あ)
新所蔵の「ペルセウスとゴルゴーン」、ペルセウスがゴルゴーンの刎ねた首を持ってる彫像だけど、ゴルゴーンはカミーユ・クローデルの自刻像らしく。…お、おう(更に複雑な顔)別れた後の作品みたいだしね…うん…。

ちょっと関連のある絵を意図的に並べて配置しているのも見かけた。
例えば、聖カタリナを描いた絵を並べてみたり。
アンリ・ファンタン=ラトゥールと、ヴィクトリア・デュブールの夫妻を並べてみたり。アンリ・ファンタン=ラトゥールも静物画がとても素敵だけど、ヴィクトリア・デュブールの花の静物画もとても綺麗…。

リニューアルして、ちょっと親切になったかもしれない。


さて、版画素描展示室での企画。

www.nmwa.go.jp
「西洋版画を視る―エッチング:線を極める、線を超える」。
最初はエッチングの解説、そしてその後は時代ごとのエッチングの変遷。
分かるのかなあ、とか不安になっていたら、最初にデューラーが出てきて、そしてレンブラントの作品で一気に雰囲気が変わる。レンブラントって凄いんだね…(何を今更)
で、その後、技術を革新したのがジャック・カロ。エングレービングという別の技法の線を、エッチングでできる技術を身に着けたそうで(実際、彼の作品「狩り」は滅茶苦茶細かい…!)、そこから面白い絵が出てくる。
実は常設展で気になる風景画を描いてたクロード・ロランのエッチングも素敵だし、ジョヴァンニ・ベネデット・カスティリオーネの「連作「東洋人の頭飾りの習作(台)」より、羽根を指した毛皮帽とスカーフを身につける男」もとにかく細かい。
更にカナレットの素晴らしいヴェドゥータ(都市景観画)、ゴヤのなんともいえない不思議な連作、コローにホイッスラーの有名どころ、フェリックス・ビュオやフェリックス・ブラックモンのより近代のエッチング作品。
こ、これは…凄いな…。
個人的に気になったのがシャルル・メリヨン。パリの風景をエッチングで描く版画家なんだけど、色覚異常があって、エッチングの道を選んだとか。19世紀の近代の作家なので、やはり細かい…。
面白かった。単独の展覧会だとなかなか拝見しに来ないだろうな、という企画で、予想外に良い作品を拝見できたし。

で、最後にもう1つ小企画。
www.nmwa.go.jp
うん、ごめんなさい、ル・コルビュジエの作品全然わからない…(遠い目)


リニューアル後、久々にぐるっと回れて楽しかった。

続く。