時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

川瀬巴水 旅と郷愁の風景@SOMPO美術館

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というわけで後期。
受付のところに「鑑賞は1時間を目安にお願いします」の注意書きがあったのだが、今回の展覧会の展示数でそれは厳しいのでは…。
とはいえ、書き手は後期のみということで、通期展示の絵で、前回も気に入った絵を再度鑑賞しつつも、目当ては後期のみの展示。

第1章「版画家・巴水、ふるさと東京と旅みやげ(関東大震災前)」。
後期は「旅みやげ第二集」「日本風景選集」が5階から4階にかけて。
「旅みやげ第二集」は奈良の絵が出ていて(「奈良二月堂」「奈良春日神社」)、個人的に親しみを感じつつ。佐渡の絵が多かったような。
あと、これは全体を通してだけれど、巴水が画面に小さく描く和装の女性、とても品があって美しい(顔は描いてないのに)感じがしてしまう。鏑木清方門下だからなのかね。
「日本風景選集」は半分ぐらい九州かな。「長崎崇福寺」の見覚え感に感動していたり。
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第2章「「旅情詩人」巴水、名声の確立とスランプ(関東大震災後~戦中)」。
前期のみと言われていた「東海道風景選集」の「日本橋(夜明)」が後期も残留していたのは
ちょっと嬉しかった。いい作品だしね。
展示替えは「日本風景集2*1 関西篇」と「元箱根見南山荘風景集」の一部なんだが、「日本風景集2 関西篇」はスランプ中と言いながらも、いい作品多かったと思う。こちらは3階に展示されていて、写真もOKだったんだけど、前回より撮影しているかも。
「京都清水寺」「讃岐善通寺」の人の佇む抒情、「周防室津」のクリアな感じ、「高野山鐘楼」「神戸長田神社八雲橋」の雪の情景。「元箱根見南山荘風景集」も、後期のみの「湖畔茶室の夜雨」「つつじ庭より富士を見る」、片方は夜で暗くて雨で、片方は明るい陽光の下の美しいつつじと富士で、対照的だけどどちらも素敵。


第3章「巴水、新境地を開拓、円熟期へ(戦中~戦後)」。
「続朝鮮八景」「The Japan Trade Monthly」が。後者は海外雑誌の表紙。後者の68号、なんと日本庭園を闊歩するサンタクロースという凄い構図。まさか巴水がサンタクロースを描くとは…。


最後にオチがついたっぽくなったけれど、いやあ素敵だった。
後期だけでも1時間かかっちゃった。


さて。
www.sompo-museum.org
SOMPO美術館のミュージアムカフェは土日祝のみオープン。
この日は日曜日だったので、寄ってみた。食べ物は菓子のみ(バームクーヘンが売ってた)、
コーヒーと紅茶とジュースが頂ける。

店も空いていたので、ゆっくりコーヒータイム。
カフェ先着の方に東郷青児のコースターが頂けたので、お土産に。


ここからちょっとだけ新宿を彷徨う。
続く。

*1:2はローマ数字