時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

大正ロマン・昭和モダンのイラストレーター 高畠華宵展 ―ジェンダーレスな まなざし―@弥生美術館

www.yayoi-yumeji-museum.jp

高畠華宵。今までに何度か展覧会でお目にかかってはいるが。
morina0321-2.hatenablog.com
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とうとう本拠地の弥生美術館にこんにちは。弥生美術館は元々高畠華宵のコレクションから始まってる美術館。
それにしても、根津に来たのは二度目ぐらいだけれど、東京駅から少ししか離れていないとは思えないぐらい閑静な住宅街…(弥生美術館の目の前は東大だけど)。


弥生美術館は3階建てで、今回は1階と2階が高畠華宵展。写真OK、むしろSNS拡散推奨。
1階はカラーが主。特に右側は、華宵が少女について語ったポエム「いろいろな少女に」と共に。どうやら、自分はどんな少女になりたいか、と尋ねられて答えになってるポエムなんだが…とにかく色々なシチュエーションの少女を語りまくり(そして美しい絵を例示的に展示し)、「要するにそのすべてでありたいのです」で締める、ええとなかなか…濃いなあって(こら)。
カラー絵の中には異国の衣装などもあり、多彩で素敵。
また、今回は「ジェンダーレス」に焦点を当てていて、要は描く女性も男性も、どこか中世的な部分がある、という感じで。


…書き手が撮影する女性はあまり中世的じゃなかったかもね(というか、恣意的に孔雀題材を撮影してくるのがいかんのでは?)
男性はそうですね、なんとも…うん…。途中で「綺麗だけど何撮ってるんだろ」と我に帰ったりしたとか。
ちなみに華宵は生涯独身で、少々自分の中に女性的なものがあることを感じていて(でも女性は美しくて大好きとのこと)、弟子というか身の回りの世話をする男性が軒並み美少年だったという話で。
そ、そうですか。美しいものがお好みなのは分かりました(何かを閉じて見ないようにしてる)。


2階は1/4ぐらいペン画。カラー画よりも繊細さがはっきり出て、こちらも素敵。

こちらは「そよかぜ」。ゴルフで遊ぶ妙齢の女性とキャディの少年、かな。
1/4ぐらいは小説の挿絵集(これもペン画)。
それ以外は着物関連。華宵は美しい女性の着物が好きだったそうで。その気持ちは分からなくもない。男性の着物は地味な色多いしね(それはそれで素敵ではあるが)。
で、着物の絵はそれはそれでとても美しく、絵の再現着物の展示なんかもあったのだけど、更にこんなものも。

「快歩」。透け感のある着物の下に、半袖の白いシャツ(!)。袴をスカート代わりにして、ペンダントに洋傘。和洋折衷ヘンテコお洒落。これはこれでアリだなあ。面白い。



さて、弥生美術館の3階はこちらの企画。


写真NG。
少年雑誌・少女雑誌の付録の歴史。ほぼ現代に近い少女漫画の付録もあった。…とはいえ、書き手は実は少女漫画を雑誌で読んでいた時期が短く、そこまでおおっと思うものは多くなかったかも。
それよりも。中原淳一はまあ分かるし、鏑木清方の描いた双六があるのも、分かる。でも、川端龍子の描いた双六が2つもあったのが驚きだった。そういうお仕事なさる方だったの…?



さて、弥生美術館には隣接している美術館がある。
竹久夢二美術館。こちらは2階建てで、1階と2階が展示室。弥生美術館と渡り廊下で繋がっている。
www.yayoi-yumeji-museum.jp
こちらも写真OK。
書き手はあまり竹久夢二に明るくないのだけれど、今回は企画の一角に「読書する女性」があり、そこでの絵が気になった。

こちらは「夜の花」。



美しい展覧会だった。写真は実はかなり撮影していたりする。



ちなみにミュージアムショップで、ポストカードをいつもの通りに購入していたのだが。

こんな本もラインアップだったり。流石に買わなかったけど、少々気にはなった。