時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

ホキ美術館

www.hoki-museum.jp
前日の筋肉痛の脚を引きずりつつ、一度行きたかったので行ってきた。
正月休み中なのでたまには(この趣味でも)遠出。土気駅からニュータウンの住宅地をのんびり歩いて来訪。

ホキ美術館は写実画専門の美術館。
吉村芳生を前日見て、リアルに描いた絵とは?リアルすぎて気持ち悪いとかあるのか?という感じになっていて。

…うん、そんなことはなかった。とても綺麗なリアルな描き方もあった。画家それぞれ、アプローチも色々あるんだなあ、と。

今回は企画展のギャラリー1が人物画特集「人・ひと・人 -人って面白い-」だったので、人物モチーフが多いのだが。
モデルさんが美女多いので楽しい!(おい俗物)
ある画家さんは写実と言っても「これは絵だ」と分かる、ある画家さんは写真のようでいて近づくと筆跡が分かる、ある画家さんは写真のようで筆跡が全然分からなくて、これ本当にどう描いたの、だったり。それぞれの描き方で、それぞれの味。
で、書き手が気になった方それぞれ。

  • 森本草介。ホキ美術館の代表作家のひとりで、ギャラリー2でかなりの点数が出ている。画面全体がセピアがかる。その雰囲気が素敵。風景画も裸婦も多いのだけれど、個人的には着衣の女性の絵が好き。サイトにもあるのだと「休日」は本当にいいよね…。
  • 生島浩。「card」とか「Box」とか「月隠り」とか、妙に中世的な気品が。
  • 島村信之「日差し」の光の入り方が好き。
  • 小尾修は性格のキツそうなお姉さんを描いてる作品が好き(え)格好いいんだもの。「画室」の女性の表情いいなあ。
  • 山本大貴。「静寂の声」は面白い作品の作り方をしているなあと。
  • 藤原秀一。「待ちぶせ」は人間(少年二人、お子さんだそうで)もリアルなんだけれど、川の表現が凄く好きで。ギャラリー8で「川の情景」を見たら、風景メインで人が中心に居るけれどシルエットっぽくなってて、ああいいなあ、と。御本人のサイトを見たら、風景メインで描かれる方なのかな。

あと、ギャラリー5だけ陶芸なんだけど、板谷波山いいなあ。
自然光が入るところに置いているからか、特徴的な淡い釉薬がより綺麗に見える。

建物が広い、というか「細長い」作りになっているため、やはり歩き疲れるので、ミュージアムカフェでデザートセットを。
ナッツとチーズのアイスケーキ(正式名称忘れた)とコーヒー。
このアイスケーキの盛り付けがとても美しい。

アイスケーキと、添えてあるみかんと、お皿のリンゴの絵が、チョコレートソースとパウダー状の砂糖で一体化しているような。
しかも美味しい。チーズが少々スパイシーな感じなのかな。みかんもアルコール系の何かで漬けてあるのだと思う。
ちなみに、リンゴの絵は森本草介だそうで、このお皿はミュージアムショップにも売ってた。カフェにもいくつか森本草介の絵が飾られてて(葡萄と薔薇だったかな)、これも綺麗でね。

さて、ここの建物、実は物凄く随所にアートで実用を兼ねた形をしている。
一番アートなのはこれ。

支えなしに建物が浮いてる。30mぐらいあるらしい。
これ、中はちゃんと美術館の建物だよ。たぶんこの「何もない空中」の上を歩いてるよ…。中の人が分からないような制振構造になってるらしい。どうなってるんだ…。
建物の工夫はガイドとして美術館に置いてある。ガイドが手書きを印刷したものなのも、なんだかいいよ。