時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

吉村芳生 超絶技巧を超えて@東京ステーションギャラリー

www.ejrcf.or.jp
宣伝にあった絵が気になったので行ってみた。

ただ、最初の方で、書き手はちょっとこれは苦手かも…と。
吉村芳生は制作方法が結構変わっている。それを展示会サイトではぼかしているので、それについては触れない。ただ、その技法が…うわあこの方、凄い偏執されてる方なんだなあ…というのが分かって。失礼かもしれないが、ある意味狂気的で。
ちなみに使用する技法は鉛筆・色鉛筆・コンテ・リトグラフシルクスクリーン、等。水彩は一部使用してるけど、油彩なし。

個人的に見たかったコーナーは「百花繚乱」。
花の絵。色鉛筆なのも凄い、リアルなのも凄い。
…けど、いまいち綺麗、と思えなかった。むしろ気持ち悪いと感じてしまった。なんだろう。リアルすぎるせいなのか。自然ありのままで、曲がったりしているところまで書き込んでしまうからか。
自然ありのままの上に、わざと不自然にぼかしたり引っ掻いたりして、所謂画家の「主張されてる」絵もあるんだけど、そういう方がむしろ気持ち悪さが和らぐ。
「コスモス(絶筆)」は技法も見えてうわ、となる作品。いやでも、技法が見えた方がそちらに気をとられるからいいかもしれない…。

宣伝で使われていた気になった絵は、展覧会サイトにもある「無数の輝く生命に捧ぐ」。
まあ、藤に呼ばれたんだけども。
これはそこまで気持ち悪いと思わなかった。制作意図が明確だったこともあるような気がする。制作方法はやっぱり独特ではあるんだけど。うん。

書き手は少々苦手な画家ではあったけれど、結構受け手を選ぶ画家だと思うので、そういうのが好きそうな方にはお勧めする。