時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

水を描く -広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお-@山種美術館

[企画展] 水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお― 〔過去に開催された展覧会〕 - 山種美術館
もう、見た目から涼しげで(夏の暑さに負けてる)
今回は「波と水面のイメージ」(川・池・海の波等)、「滝のダイナミズム」「雨の情景」のそれぞれの水表現。涼やか。
個人的に気になったのは下記。

  • 第1室入口トップバッターに東山魁夷「緑潤う」。美術館なので(絵の保存の問題で)冷房はガンガンきいているのだが、この絵だけでいきなり体温がすうっと下がる感じ。本当に涼しげで美しい…。
  • 「広重の雨」=歌川広重の浮世絵が「波と水面のイメージ」(水面・波)・「雨の情景」にいくつか。東海道五十三次のもあるよ。個人的に歌川広重は結構好き。浮世絵はあまり展示しておけないみたいで、ここだけ前期・後期で入れ替わりがあり。
  • 「玉堂の清流」=川合玉堂がいくつか(今回は全て山種美術館蔵なのだが、川合玉堂のコレクション多いものね)。第2室(暗くしている小部屋、「雨の情景」)の「渓雨紅樹」が一番好きだったかな。
  • 「土牛のうずしお」=奥村土牛奥村土牛はこれまでもいくつか見てきていてあまり好みでなかったのだが、「鳴門」は素敵だなあ。色彩も鳴門の表現も。
  • 竹内栖鳳「緑池」。池で頭を水面に出している蛙。水面の色、水面の上に出している蛙の上半身の色彩。
  • 山元春挙「清流」。清流の色彩の感じがとても素敵。と思ったら、滝コーナーで「冷夢図」。滝の表現では一番好き。
  • 奥田元宋奥入瀬(秋)」。今年春の桜の展示で「奥入瀬(春)」の対になっている巨大画。割とぼかして描く方なのだが、煙る感じの紅葉が美しい…。背景に金泥使ってるみたいなのも凄い綺麗。
  • 川端龍子「鳴門」。今回唯一写真OKなのがこちら。巨大な屏風画なので全体をまとめて撮るのは難しいのだが、個人的に一番向かって左側、鳴門の上を行く鳥の個所を一枚写真に収めた。これだけ切り取っても格好良くて、つい。富山県水墨美術館で見た「虹の如く」もそうだったけど、川端龍子の描く雄大に飛ぶ鳥が好きなのかも。それにしても。長椅子が一つ置いてあって、長椅子の長い側に奥村土牛「鳴門」&加山又造「波濤」と、奥田元宋奥入瀬(秋)」が向い合せ。長椅子の短い側に 橋本関雪「生々流転」(屏風に荒波が非常にダイナミック)と川端龍子「鳴門」が向い合せ。この豪華な配置自体がとても凄い。
  • 滝ときたら、やっぱり置いちゃう千住博ウォーターフォール」「フォーリングカラーズ」。富山県美術館以来ですな。
  • 奥田元宋「山澗雨趣」。第1室の最後にこれ持ってくるか…!木の緑の描き方が好き。

終了後はCafe椿(ミュージアムカフェ)にて和菓子。

今回は白波に。見た目凄い涼し気!正直、味は好みじゃなかったけども(あ)