時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

没後40年 幻の画家 不染鉄展@東京ステーションギャラリー

www.ejrcf.or.jp
東京ステーションギャラリーは二度目。最初に行ったのが鴨居玲展で、これがまあ苦しくてしんどくて、ひとさまにお勧めするのきついなあと。
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今回の前もヴェルフリ(精神病院で凄い絵を描きまくったアール・ブリュットの大家)だし、結構癖が強い作家を取り上げることが多いんだが。

不染鉄も癖があるといえばある。けど、生み出す作品がほっとするものが多い、かな。
お寺で育つとか島で漁師と働くとか京都で美術学んでる時も自然散策するとか山に登ったりとかその後奈良の片田舎で暮らすとか、日本の自然と上手く向き合って暮らしていたせいか、そういうものを理想化して描いてくれる方なので、親しみやすい。
日本の原風景とか古民家を描かれるので、高山行った後だからか、なんとも共鳴してしまうのもあり。
あと、自分の絵に文章を書きこむのも好きな方で。今だったらそういうブロガーになれるんじゃないかとか(え)
自分の内面と向き合う絵もあって、そういう絵は重めだけれど、悩み方が芸術についてというよりは、自分そのものについてというか。仏道にも哲学にも似ている感じに受け取れた。
晩年は奈良女子大の生徒と交流したりもしていたそうなので、いい隠居のおじいちゃんみたいな感じだったのかなー。
ちょっとほっこりした展覧会。

あ、そうそう、東京ステーションギャラリーは建物も頑張ってるよ。廻り階段と、2階の展示室。今回は特に2階の展示室の煉瓦壁を上手く使った展示にしてた。